Update:201304.12FriCategory : unknown

ビーチの香りが薫るニューヨーク発のフリーペーパー

ニューヨーク(NY)にビーチの匂いが薫るフリーペーパーが誕生した。ザ・ユージュラル(THE USUAL)はエミリーとヤシャというふたりが製作するもの。東京にも女性のサーファーがいるように、NYに住む女性としてサーフに魅了され、メディアまでつくりだした。ともにクリエイターとしてフルタイムの仕事をこなしながら製作に励むふたりは、愛着あるモントークやNYのサーフカルチャーの魅力を発信したいと、その情熱を根底に製作をスタート。制作費は各号ごとに営業をして広告主を探す。創刊号はホテルチェーンのキング&グローブが出稿。最新号はパタゴニアとのコラボレーションをした特別号となった。

「パタゴニアはNYに出店が決まっていて、彼らの意向も踏まえたことから初めてNYを広く捉えた号になったの。街の注目スポットやサーフシーンを感じられる場所や、マロイブラザーズたちパタゴニアのアンバサダーに焦点を当てることで、NYのサーフカルチャーを映し出す鏡のような一冊になったと思うわ(エミリー)」

パタゴニアが出店を決めた場所は伝説的なライブハウスCBGBの跡地というから、その着眼点はおもしろい。そしてサタデーズサーフも含め、近年のNYサーフ事情は賑やかだ。しかしこの大都市でサーフィンができると知られたのは最近のことではない。1912年にはデューク・カハナモクがロッカウェイビーチでサーフィンのデモストレーションをおこなっている。そもそも大西洋に面した地理的環境を思い、日本の台風と同じようにハリケーンが発生することを考えれば、波があっても不思議ではない土地柄なのだ。

2年前にはクイックシルバーがスポンサーとなりASPのコンテストが開催された。高層ビルが乱立するメトロポリスで質の良い波が割れる状況は強いコントラストとなり、今も色あせないプロジェクトとして語られる。そしてNYにはコンテスト会場だったロングビーチ以外にも良質なスポットがある。マンハッタン対岸にあるニュージャージー、ダウンタウンからおよそ3時間の距離にあるモントークはNYサーファーが頻繁に通うディスティネーションだ。

NYにはサーフィンの土壌があった。しかし街にサーファーの居場所はなかった。だから集合体としての存在感を放つことができなかったのである。状況に変化が生まれたのは前述したサタデーズサーフの誕生だろう。彼らがソーホーにショップを構え、集う場所ができた。コミュニティが形成され、ひとつのムーブメントとなったから、NYのサーフィンは多くの人の目を捉えやすくなったのだ。そして今、ザ・ユージュラルが生まれた。

オンラインのPDFでも全ページが見られるが、印刷物として配布する形を選んだのは彼女たちのこだわりだ。元来の紙好きであることと、ビーチにいる時でさえ気軽にペラペラとめくり、読めるような形にしたかったという。もちろん彼女たちもビーチで過ごす時間を大切にしている。インスピレーションはそこにこそあると理由を説明するが、では彼女らが愛するモントークとはどのような雰囲気なのだろう。

「みんな思い思いの様子でビーチタイムを楽しんでいて、サーフキャンプをする光景も多く見かけるわ。バーベキューをしたり、ビールを飲みながらサンセットを見たり。まるでボヘミアンのように過ごすことができる場所なの。最高なのは5月から夏にかけてのシーズン。秋は人影が少なくなって寂しいけど、波は良いわよ」

日常の煩わしさをわずかに忘れ、NYサーファーが自由を感じながら過ごせる場所。それがモントーク。波のポテンシャルもグッド。クリーンに割れるリーフブレイクは一級品だという。きらびやかな世界的な大都市が誇るビーチタウン、モントークへはダウンタウンから3時間ほどの小トリップ。もちろんトリップ前にはザ・ユージュラルを手にすることをお忘れなく。ロブスターを食すこともお忘れなく、とはエミリーからのアドバイスだ!

※写真上から

上:創刊3号目はサマーイシュー。テーマはモントークへのラブレター!

中:左頁に新進気鋭サーフフォトグラファーのクリス・バーカード。その隣にマイクDという構成がニューヨークらしさ。

下:かつては部下と上司の関係だったエミリー(右)とヤシャ。今はそれぞれ編集者、アートディレクターとして活躍中。

http://theusualmontauk.com/about/

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