世界サーフィン組織「ASP」が「WSL」への改称を発表
世界サーフィン最高峰ツアーを運営するASPは、2015シーズンから「ASP」を改め「WSL」(World Surf League )に名称を変更すると発表した。
これにより「ASP」は、古くは1976年に発足した「IPS」(International Professional Surfers)(1976-1982)から現在の「ASP」(Association of Surfing Professionals)(1983-2014)に至ってから31年間もの長かった組織名に幕を閉じ、新たに「WSL」(World Surf League) として完全にリブランディングされる。
「WSL」のCEO(最高経営責任者)となるポール・スピーカー氏は
『2015年シーズンの開始とともに「WSL」(World Surf League )に名前を変更する。多くのファン、選手やスポンサー企業は世界のプロサーフィンとして理解しやすいものになるはずで、さらなる世界的スポーツとして成長をみせることになるだろう。
しかしこの度の名称変更は、我々にとっては慎重なる決断が必要であったし熟慮を重ねた結果であることも理解してほしい。
ASP会場でやライブ配信と過去2年間、多くの変化がおきている。今回の変更は「守りと攻め」つまりサーフカルチャーを保守していくことと同時に、将来的にサーフィンの良い基盤を作ることを目的に行われるもの。
また、サーフィンを愛する私たちにとって、今回の出来事はポジティブでもあり、プロフェッショナルサーフィンのDNA、「世界最高の波」と「世界最高の選手」たちはずっとそのままである。本質は決して変わることはない』
とリリースで発表している。
そして早速「WSL」に向けた映像が公開された。
ショウビジネスとしてのプロフェッショナルサーフィンのキーは”テクノロジーの劇的な進化”。
「興行イベント」がネットでのライブ中継によってポテンシャルが増していることは確か。当然USオープンのような現地で一体となった観戦への楽しみもあれば、ネットを介してグローバルにライブ放送がなされサポートする企業の宣伝のリーチが高まることでツアーとしては更なる収益が獲得できるチャンスでもある。
前述のように、スポンサードする企業が顧客リーチを高くなるよう連盟としては今まで拾えなかった「あらたな層」を獲得していくこと、若年齢層に対応していくことも必要となる。今までのようなサーフィンのコア層だけでなく、ショーとしての楽しさを演出できれば一般層にも更なる拡大が可能なのだ。
現に「ASP」を大口でスポンサードするsamsung(サムソン)がそうであるように、サーフブランドやメーカーでなく、ナショナル企業が入り込むことによって違う資金が流入することになり、企業のPRの場としてもサーフィンが更に活用できるようになリビジネスが循環する。
「変化への対応」力のある「ASP」だが、今後はさらに現ブランドもが生き残りをかけサバイブしていくことになる。
そして、今回の一連の出来事は、いうまでもなく2012年の秋頃「ASP」が「ZoSeaメディア」のコントロールに置かれることが発表され、まさしく2013年から本格的にZoSeaメディアが「ASP」を改革してからまもなく2年が経過する。
時代にフィットした運営を行ってきたZoSeaにとっては、スポンサーからの資金獲得政策、新たなファン層の獲得を目的に、サーフィンが”スポーツビジネス”としてもう一段上にレベルアップさせる必要があり、まさに時代が「変革」しているという背景を汲み旧体制を刷新していこうということの表れだと思える。
ある種、世界のサーフシーンの中核はスピードをもって変化していると言えるだろう。
日本のマーケットもまた、このような世界的な動の中でいかに動いていけるのかどうか。
ジャパニーズ・プロフェッショナル市場の維持にとっても、今回の出来事は重要な節目となるだろう。
ASP release
http://www.aspworldtour.com/posts/68186/asps-new-name-in-2015-world-surf-league