Update:201605.27FriCategory : Namiaru? News

「小林直海」独占インタビュー

昨年からNAMIARU?がスポンサードをはじめた「小林直海」
鎌倉の海を目の前にして育った彼。
2014年にはJPSAのルーキーオブザイヤーを獲得して注目を集める若手プロ。
今年、初戦開催地のバリにて彼にインタビュー。
今、彼は何を思い、感じているのか?

小林直海。
naomi4

「JPSAの去年のランキングは13位でした。何か反省や、それを踏まえて今年は何か変えてきたことはありますか?」

 自分がルーキーだった時(2014年)は、自分のサーフィンの持ち味だけで勝つことができた試合が多かったんですよね。その年はルーキーオブザイヤーも取れて12位に入ることができました。昨年はそのランキングからトップシードになって、R-1から勝ち上がる選手を待ち構える立場になったんですが、逆にトップシードからやる難しさをわからされました。

 やはり、R-4からというのは有利でもあるんですけど、その一回を勝つのが大変で、結局、去年はR-4で一コケ負けが多くて、勝ててもクォーターファイナルで3番負けという成績ばかりでした。去年とはまったく逆の対場で、それが難しくて、悩んでいる間もすぐ次の試合という感じでしたので、修正できずに一年が終わってしまいました。

 去年だったら点数出たライディングももらえなくてなっていて。トップシードなので、上手い選手も多いですから。そこを比較されて、点数が出ないというヒートがけっこうあって。そこは悩みましたね。

「それを克服するために、今回はどう調整してきましたか?」

 そうですね。作戦とかもあるんですけど、あくまでも自分のサーフィンのスタイルは変えずに、さらに磨きをかけて行きたいと考えています。自分はフローが持ち味なんですけど、昨年はそれが逆に裏目に出ることもあって。きれいに乗り過ぎているように見えるので、フローに強弱つけて、派手さが出るライディングをしようと思っています。

「何かトレーニングとかはしていますか?」

 鍛える系はあまりやっていません。ガッツリ、筋肉をつけるより身体の柔軟性を出す為に、特にストレッチをやっています。お世話になっている整体の先生に専門のストレッチを教えてもらって、動ける身体作りをしています。
naomi1

「バリにはどんな板を持ってきましたか?」
 
 JPSAの後にWSLの大会も同じ会場で行われるので、3本持ってきました。5’10”の2本ともう1本が5’9”。いつもお願いしている調子の良いモデルがあるので、それをクラマス用に。パンチ出せるように厚みを出してもらいました。

「板をチョイスするのに何かこだわりはありますか?」

 自分はフォームとかにも好みがあって、最近はオーストラリアの“コアフォーム”にしてもらっています。それがすごい調子良くて。お気に入りのモデルをそれでシェイプしてもらっています。

 ただ、ハンドシェイプなので、同じスペックを頼んでも微妙に乗り味が違うことがあって。だから、オーダーする時は、もうボロボロなんですけど、一番調子良かった板を持って行って「これでお願いします!」って。
 
 “ZBRUH SURFBOARDS”さんからサポートしてもらっているんですけど、ハワイのSchaperとかもチームに入っていて。そういうのも乗り比べして、自分のサーフィンを追求しています。でも、普段からコミュニケーション取れる森井(誠一)さん板がやはり調子良いですね。
naomi2

「普段から心掛けていることはありますか?」

 そうですね。まず朝起きたら、必ず海を見るんですけど、波ある、無いをチェックします。普段は朝一から早く行くというのはなくて、朝ご飯をしっかり食べて、音楽を聞きながらストレッチ。海に入る直前に浜辺でやるのではなくて、家でしっかり身体のメンテナンスを行ってから行きます。ウェット着た時に、すぐ海に入れる状態にしたいんですよね。自分のポリシーなんですけど、ストレッチしているところを人には見られたくなくて。家族にも見られたくないので、家でこっそりやっています。そこは隠しておきたいところなので(笑)。

「今、自分の好きなものはありますか?」

 最近、カメラで写真を撮るのにハマっていて。デジタルではなくて、フィルムカメラなんですけど。色が好きで。人物とか、自分がイイなと思ったものを撮っています。変わったものとかを撮るのが好きですね。階段とか、壁とか、それこそトイレとかも。自分がイイなと思ったやつをインスタグラムに上げたりしています。いつか撮り貯めた写真を形にできたらなって。展示会とかじゃないですけど、みんなに見てもらえたらと思っています。

「オリンピックについてはどう考えていますか?」

 興味はあります。スポンサーさんもそういうところを見ているので。選考基準がどうなるかは全然わからないですけど、もし、自分が出るチャンスがあるとすれば、もちろん参加するつもりでいます。

 ただ、そう思っているんですけど、自分の出番ではないかなというのも感じていて。というのは、大原洋人、仲村拓久未とか、大橋海人君とか、世界であれだけの活躍していて、自分ではできないことをやってのけている選手がいて。悔しいながらも、その前にすごい尊敬もしていて。諦めているわけじゃないですけど、自分ではまだそこまでいけないというのを実感しているので。

「JPSAだけでなく、海外は挑戦しないのですか?」

 海外にも出る気はあります。すごい興味があるし、すぐにでも力を試したいというのが本音です。お金と時間が間に合うなら、世界へ出て戦ってみたいです。自分の可能性を信じて、こう、登り詰めるとこまで極めたいと思っています。

 元々、自分はフリーサーファーに影響されていて。やはり映像とか見ていても、フリーサーファーの方がカッコいいなって感じているんです。でも、コンペティターはコンペティターで、めちゃくちゃカッコ良くて。コンペ自体は好きなので、フリーの格好良さ、そのサーフィンでも十分勝てるというのを実証したいなって思っているんですよね。だから、チャンスを作って、いろいろ挑戦したいと思っています。
naomi3

「最後にサーフィンの魅力を教えてください。」

 サーフィンは楽しいですね。楽しいというのが大前提で。何より気持ちが良いし。自分がスゴイ良い波に乗れた時、上手い下手は関係なく、何かその日はすごくハッピーな一日になると思うんですよね。
 
 自然を相手にしているスポーツだから、同じことは無いんですけど、だからこそ、その時の記憶とかが鮮明で。その波でちゃんとメイクできた時、貴重な一瞬をやはり忘れなくなりますよね。一般の人にはぜひ挑戦してもらえたら良いなって。本当に自然を感じられるスポーツです。

Photo,Interview:S.Yamamoto