【第2章】車泊の旅へ|トラブル発生!!編|柴犬ラニとの4,342kmロードトリップ2016
Photos by "moo" kitamura&Local Surfers,Many supporters. Text by Yoshishiro "moo" kitamura×BLUER
第2章 ー AICHI to KAGOSHIMA ー 灼熱の旅路トラブル発生!!編 LANI&MOO車泊の旅スペシャル・エディション。 『九州を最終目的地にすること』だけを決めて どこを通るかも、いつ着くかもわからない。 東京を出発後、愛知でブレイクしたのち 大阪、そして未知の土地・鹿児島へ。
東京を出発してから愛知でワンブレイク。愛知での車泊は、とても快適だった。 車泊をすると毎回、学びがあり、そのたび改良に改良を重ねて長年「車泊」を続けてきた。今年『BLUER号』を新調したが、その内装は過去最高に快適だ。 最大限に活かしたハイエースの車内は、写真でも伝わると思うがマンションの6畳一間のゆったりした部屋にいるかのような広さ。 車で寝るというスタイルが、自分にとっての旅のスタイルを変えてくれた。 15年前に出会ったCARVIN社のベッドキット。そして柴犬ラニとの旅。 今年、CARVIN社の新しい型のベッドをBLUER号に搭載して快適な車泊が実現しているのも、CARVIN社の渡辺社長の協力あってのものだ。
愛知でワンブレイクしたのち、大阪に立ち寄ることにした。大阪にはラニのワンコ友達がいるし、大好きなカキ氷屋がある。甘い糖分の補給と、ラニの犬仲間たちと大きな公園でリフレッシュして「酷暑との戦い」に備えようというプランだ。 なんといっても、この先、長く、暑い試練があるのだ。
しかし、大阪に到着し、楽しく散歩していた最中に、ラニが他のワンコに噛まれるというアクシデントが発生してしまう。
マズルに二か所、深い穴があいて血が出てしまい、慌てて近所の病院に行くことになったのだ。
幸い病院で消毒して抗生物質を飲んだことで非常事態にはならず、精神的なショックと食欲はしばらくなかったものの
すぐに元気を取り戻してくれたおかげで、旅を続行することとなった。
旅にトラブルについて話そうと思う。
予期せぬトラブルは必ずあるといってもいいし、過去に強制終了となった旅もあった。
車のトラブルもあれば、各地域の独特の風習やルールに驚くこともある。自分の体調が悪くなることもある。
ただ、どうしようもないのはパートナーのラニがトラブルに巻き込まれることだ。
自分はあらゆることに細心の注意を払って行動するタイプだし、ラニも無茶をしない賢いワンコだ。
でも以前、ラニが足裏に火傷を負い、自分はそれに気づかずにいたことがある。
ラニの様子のおかしいと途中でわかり慌てるが、行った先に病院はない。
救急病院は遥か遠い場所…。
自分で間に合わせの応急措置をしたが、体調がすぐれないために、そこで旅を終えて自宅へと引き返した。
そのことを思い出すたびに、今でもすぐに気づいてやれなかった自分が悔しい。
旅が途中で終わってしまうことよりもパートナーの体調の方がどれだけ大切なことか。
今でも悔やみきれない。
旅に無理は禁物だ。怪我や命に関わるような無茶はすべきではない。
「車泊の旅」は、いかに安全に車を使って旅をするかという旅であり、無茶な旅をしようということではない。
まずは安全が第一であることを、ぜひ理解してほしい。
そして、適切な治療のおかげで大事に至らなかったことは、旅先での知人の的確なサポートがあったからこそのこと。自転車を借り近くの病院にすぐに行けたことも幸いだった。
人間、けっして一人で生きてはいない。旅も同じだ。各地で自分を見守ってくれる知人や仲間に、心から感謝した出来事だった。
そんな時、台風4号が九州・鹿児島方面に向かっているとの気象情報をキャッチする。 2016年の旅は、予定を決めない旅だ。目指す先はここで変わり、一気に未知の土地である「鹿児島」を目指すことを決めた。
勢いで決めたからには行動は早い。 気がつけばノンストップで関門海峡にいた。だが、今度は自分にトラブルが発生。 腰に違和感がある事に気付いたからだ。慌てて腰用ベルトを巻いたが、痛さは隠せない。 昨年の帰りと同じ状況に、焦りが出てくる。前回の帰路は、九州から十分に休憩せず、東京への片道約1300キロを突っ走った。 走行に無理はなかったが、同じ姿勢を続けたことが災いとなり、帰還後に腰が悲鳴をあげ、3日間まったく動けずに寝込んでしまったのだ。 そんな悪夢がよみがえる…。 昨年の学びもあり、今年は腰のサポーターを持参していた。腰痛を悪化させないためここで腰をガード。本来なら休憩ポイントではない熊本のサービスエリアに立ち寄り、無理をせず休憩することにした。 熊本。地震によって被災し、今もなお復旧に至っていない場所だ。 高速道路は地震の影響を受け、ところどころでアスファルトがめくれ上がっていた。 地震の爪痕を身近で見ることになり、被害の大きさに、復興を祈らずにはいられなかった。 また気になることがもう1つあった。 旅に出ると、犬の保護施設を訪問させていただくことがある。 熊本震災でも保護された犬はどんな状況なのか…。被災した犬が施設に集まっていると聞き、訪問しようと保健所など様々な施設に電話するが、今はボランティアが預かっていて施設にはいないとのことだった。 被災するのは人だけではない。今まで家族だった犬やペットが離れ離れとなる悲しい状況がある。 現状を確認したかったが残念ながらあきらめることにした。 しかし、自らの腰のアクシデントによって、今まで通過地点であった「熊本」の現状に触れたことは、考えるきっかけともなり、貴重な経験ともなった。 旅は熊本から一気に九州最南端の県、いよいよ自分にとって初上陸となる鹿児島に到着した。 夕方前。雄大な鹿児島県が迎え入れてくれた。 さっそく海岸にたどり着き、九州といっても、また違う味わいの鹿児島という雰囲気を味わいながらビーチを探索。 目当てにしていた波はなく、どこでどうしたらいいのか…。土地勘も、ここでの合流者もおらず、まったくわからない。
波もなく、何をしたらよいのやら…。そんなときはお腹を満たすのが一番だ。 道の駅で激安弁当を買って早めの晩飯。おいしいものは好きだが、ラニとのふたりの時に食事を奮発することはなく、決まって、道の駅かコンビニですませるのが常だ。 道の駅やコンビニは、その土地の特色があり面白い。 今日は道の駅にて、半額で199円の焼豚丼を入手。鹿児島といえば豚が有名だが地元の豚なのだろうか。 しかし味わう暇もなく、ろくに噛まずに早食い。夜は長く急ぐ用事もないというのに、いつもの癖が出た。 なぜなあらこの時、豚丼よりも、これからのことで頭はいっぱいだったのだ。台風は進路を変えていて、ウネリは微妙な予想。 とりあえず明日まで様子を見てダメなら、宮崎を目指すことにしよう。 ここ鹿児島は、自分にとっては初の上陸地点。旅の醍醐味は、未知の土地をおとずれること。初めての鹿児島は雰囲気がとても良く、しばらく海でボーッとする時間がつづいた。 真っ赤な夕陽が海に沈む様は格別であった。そして夜には、頭上に見た事のないほどの無数の星が暗黒な夜空の一面を覆っていた。 これが見れただけでも、来た甲斐があると感じた。 あまりに綺麗で、相当長い時間を費やしたはずだ そして、翌朝。 予想通りウネリは届くことはなかった。 早々に宮崎入りを決断し、一路、宮崎へと向かうこととなった。
さて旅は鹿児島から波を求めて宮崎へ! 宮崎にはいつもの仲間が待っている! しかし時は灼熱地獄…。 うだる暑さに LANI&MOOの車泊は、無事に遂行できるのか!?
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