トラビス・レイノルズ来日インタビュー【VISSLAクリエイター&イノベーダー】
2018年5月、横浜の赤レンガで開催されたグリーンルームフェスティバルではVissla代弁者であり、日本でも話題の集めているボードビルダーTravis Reynolds(トラビス・レイノルズ)が来日!
レジェンドシェイパー達の元で技術を習得し、独自のテイストでスラスターから、その他フィッシュ、エッグ、ハルやガンまでもシェイプする新進気鋭のシェイパーにTravis Reynoldsサーフボードの魅力やVisslaとの関係性などをインタビューした。
1.自己紹介をお願いします。
カリフォルニアのサンタクルーズ出身で、サーフボードのシェイプ歴は18年です。今回初めて日本に来ました。
初めての日本はどうですか?
最高だね。まだ数日しかいないけど、文化や人々、食べ物も素晴らしいよ。日本は1週間のショートトリップで、この展示会の準備やサーフショップへボードを持って行ったり、これから千葉へもサーフィンしに行く予定だよ。
2.来日した目的を教えていただけますか?
日本には前から興味があったんだ。
今回は自分のサーフボードビジネスの目的で来日し、日本でのコネクションをつくりたかったんだ。
後は自分が育ってきたカリフォルニア・サンタクルーズやハワイのカルチャーを日本へ広めたかったし、何よりもTravisReynoldsサーフボードの性能を普及させたかったんだ。
3.Visslaとの関係性を教えてください。
僕がVisslaに所属してから2年が経つんだけど、3年前にメンバーとの関係をスタートさせたんだ。
ちょっとずつ関係を深めていって一緒にプロジェクトを進めるようになったんだ。僕のアートワークを洋服に使用したり、マーケティングなどで絡んでいき、それからVisslaアンバサダーとしての正式なオファーをもらったんだ。
お互いに助け合うファミリーのような関係だよ。
4.Visslaと出会ってどう変わりましたか?
Visslaは僕の名前をブランドとして世界的に有名にしてくれたよ。
僕1人だったら到底出会えないような人達をたくさん紹介してくれるんだ。自分より大きなチームと組めば自分自信も成長するよね。この機会をとても感謝しているよ。
5.今回のコレクションについて説明ください。
すごくカラフルだよね。
トーマス・キャンベルとはサーフボードを通じて数年間シェイプしたり、アートワークなど一緒にプロジェクトを進めているんだけど、最初に関係を持ったんだ。
最近のプロジェクトは僕がシェイプしてトーマスがアートする感じで典型的だけど、そのアートワークを利用してVisslaで洋服のコレクションを作っているよ。だからこの展示会に合わせてこのボードを持ってきたんだ。
トーマス以外のコレクションでは非対称サーフボードを持ってきたんだ。こういうシェイプも話題になってきてるよね。
このボンザーも日本で人気になったモデルだよ。
展示しているサーフボードのカラーワークからレジンワーク、シェイプ、サンディングやグラッシングの全ての工程を自分自身でやったんだ。
全てではないけど、こういう特別なイベントや、ユニークな形状をしたボードは全て自分自身でやっているよ。他の人に頼むのが難しい仕事だからね。
僕は長年に渡ってレジンワークをしてるんだけど、最近では廃材にスプレーやレジンをしてアートを作っているよ。
僕は昔からペイントや写真などを主にアートと関わってきたけど、最近ではサーフボードを絡めたアートワークが多いね。今日展示しているのがそうだよ。両親がアーティストで赤ちゃんの頃から見たり、聞いたりしながらアートに触れて育ってきたからね。
今はサーフボード作りで忙しいし、時間が持てないからサーフボードを絡ませてアートにしているんだ。常にクリエイターでいたいからね。
色々なアーティスト達とコラボしてますが、どのように出会うのですか?
引き寄せの法則かな。ラッキーな事に素晴らしいアーティストやミュージシャンに偶然にも出会う機会が多いんだ。
だけど彼らと「コラボしようよ」って誘うよりはサーフィンに一緒に行ったり、友達の紹介で夕食に行ったりしなが自然に関係がスタートする感じだよ。
僕は彼らにサーフボード提供して、それにアートしてもらってる感じで最高だよね。これからも是非続けていきたいね。
6.シェイプする時に最も重要視している事は何ですか?
機能性かな。サーフボードの乗り心地だったり、性能が一番大事だよ。
2番目は、長持ちさせる事。ファイバーグラスのクオリティーだったり良い素材を利用する事だね。後は環境に良いボードを作ること。
3番目は美しいカラーリングかな。この3つがシェイプするに当たって最重要項目かな。
7.なぜ唇のロゴだったんですか?
これは僕が18歳の時に描いたロゴなんだけど、この頃から60年代後半のサイケデリックなテイストが好きなんだよ。
この頃のアートワークは隠し文字を表現してる事が多く、僕はこれをロゴに使いたかったんだ。この形が気に入って唇にしたんだ。
距離をおくとリップなんだけど、近くで見るとTravis Reynolds Surfboardsって描かれている隠れたメッセージなんだよ。
2018年の目標は何ですか?
自分のサーフボードをもっと多くの人に、そして世界的に広める事だね。
今回は日本のためにボードをシェイプして、帰国後はヨーロッパ、その後はハワイに行ってボードをシェイプする予定だよ。こんな感じで世界中の人に性能が良いサーフボードを普及させてビジネスを成長させる事が目標だよ。
日本のファンに向けメッセージをお願いします。
僕のサーフボードを乗ってサポートしてくれている方々に感謝します。僕は日本が大好きだし、文化とか食事とか歓迎してくれた事にお礼を言いたいよ。ありがとうございます。
——–インタビュー終了——–
トラビスにインタビューして一番印象的だったのは、シェイプに対する彼の想いだ。シェイプする時に「機能性」や「アート性」を重要視するシェイパーの話はよく聞くが、「長持ちさせる事」や「環境への配慮」はあまり聞いた事がなかったので驚かされた。それだけトラビス自身の作るサーフボードへの自信があるからこそできる乗り手や環境への配慮ではないかとないか思う。サーフボードの素材選びからこだわり、全ての工程を一任する作り手の気持ちが伝わってきた。是非チャンスがあればその性能を海で体感してみたい。
これからTravisReynoldsサーフボードはさらに世界中のファンを増やし、Visslaや様々なアーティストと共にどのように成長していくのかが楽しみだ。
Writer&Editor: So Sugaya
Travis Reynolds
トラビス・レイノルズ
1982年、カリフォルニア、サンタクルーズ生まれ。
画家/イラストレーターの母とフォトグラファー/建築家の父を持ち、アーティスト一家の中で育つ。
10才からサーフィンを始め、15歳にはミシェル・ジュノー(Michel Junod)のチームライダーに誘われる。このことがきっかけでサーフボード作りに興味を持ち、その工程を見学しながら学び、それがトラビスのシェイピングキャリアのベースになっている。
今でもトラビスのファクトリーは、Michel JunodやMark Andreiniらと同じ場所に構え、レジェンドシェイパー達から技術を習得し続けつつ、フィッシュ、エッグ、ハル、ボンザー、ハイパフォーマンススラスターからログやグライダー、そしてマーベリックスに代表されるマンモスウェーブ用のガンまでシェイプする、いま再注目の新進気鋭のボードビルダー。
▼ Travis Reynoldsのシェイプ動画はこちらから
Travisはシェイプ、カラー、グラス、サンディングなどの全てのサーフボード作りの工程を始めから最後まで行い、完全にカスタムのサーフボード作りに誇りを持っている。
トラビスはクリエイトすることを心から楽しむ、根っからのアーティストである。デッサン、絵画、木工工芸品やフォトグラフから常にインスピレーションを受け、こいうしたものがすべて彼のボード作りに生かされている。この10年間ほどの間にはトーマス・キャンベル、ダニー・クリンチ、パトリック・トレフツ、アレックス・コップスやカーティス・クーリックといったアーティストとコラボレーションをし、アートショー、ポップアップ・ショップやニューヨーク・ファッション・ウィークなどでその唯一無二な創作が人気を集めている。
◆ Travis Reynolds 「トラビス・レイノルズ」
https://travisreynolds.org/
◆ VISSLA「ヴィスラ」
http://www.vissla.jp