Update:201904.23TueCategory : Namiaru? News

なみある?塩田気象予報士の波や天気のお話。【メイストーム(春の嵐)】

いよいよG.W10連休が始まりますね~。
ここ数日はようやく4月らしい穏やかな日が続いています。2626

10連休のスタートは湘南以西の太平洋側を除き、なみあるポイントが多いものの一時的に冬型の気圧配置となるため、全国的に気温が下がり肌寒い1日となりそうです。
そして、千葉や茨城などを除き波は一旦ダウンした後、3日目からは再び変化が♪
アップダウンがありながらも、日本海側も含めて遊べる日はあるでしょう。

さて、G.Wに波が上がりやすい要因と言えばメイストームがあります。
メイストームとは、4月後半から5月頃にかけて、日本海や北日本で低気圧が台風並みに発達し、広い範囲で大風が吹いて荒天となること。

この季節、日本付近には太平洋の高気圧から暖かい空気が吹き込んできます。そして、上空に寒気が流れ込むと、地上(海面)付近と上空の気温差が大きくなります。
冷たい空気は重いため下降し、温かい空気は軽いため上昇。対流活動が活発となり、低気圧が発達していくのです。

24時間で気圧が24hPa以上も低下する爆弾低気圧となることも多く、また、時には70~80km/hという通常の倍の速さで進む場合もあります。

発達した温帯低気圧は、台風とは違い中心から離れた所でも強い風が吹くため、暴風雨や季節外れの猛吹雪など激しい現象を起こし、前線付近では落雷・突風など不安定な気象条件となるため充分な注意が必要です。

メイストームとなる日には、低気圧は急発達しながら足早に接近するため、穏やかな海が急変することが多く、太平洋側、日本海側共にサイズアップはするものの、多くのポイントでジャンクやハードコンディションになってしまいます。
また、オフショアとなるポイントがあっても煽られるほどの風にウネリは抑えられてしまったり、沖へのカレントが強く入っていたり。
日本中を見渡しても出来るポイントは少ないでしょう。

ちなみに、気象庁では波の高さを有義波高と表現します。
有義波高とは、順にくる100波からサイズある33波を選び、その高さの平均のこと。
統計上、100波に1波は有義波高の1.5倍、1000波に1波は2倍近いサイズの波がやってきます。これを一発大波と呼んでいます(オバケセット)。

強い風が吹き始めて1波でも大きな波が入り出したら、それ以上のサイズの波が来ることをしっかりと意識して、気象条件や海面状態を正確につかんで危険な行動は慎むようにしましょう。

チャンスは翌日です!
西から次第に北西~西~南西風へシフトし徐々に弱まるため、ジャンク&ハードだったポイントはサイズ・コンディション共に落ち着いていきます。
また、ウネリが抑えられていたポイントではサイズを持ち直していくことになります。
低気圧の進路次第ではバックスウェルの期待も。

上空の偏西風のご機嫌にもよりますが、10連休中も低気圧と移動性高気圧が日本付近を交互に通過します。
初日に低気圧が抜けた後、月曜には西から新たな低気圧や前線が接近。そして、条件次第では5月2日頃にメイストームとなるかもしれません。

ちなみに、ワタクシは25日から6日連続、全国週間波予想担当です。
つまり、G.Wの前半の全国津々浦々の波を予想し続けるという。。。
プレッシャーに打ち勝ちながら、皆様が良い波に出会えることを祈念いたしております♪

G.W中も念のため最新情報を確認してくださいませ。

気象予報士 塩田久実

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