Update:201911.30SatCategory : BLUERマガジン

サーフボードは職人技だということを誰がどれだけ認識しているのだろうか

サーフボードはマシンシェイプが最近は普通であって、いまさら論でしかないのだけれど、そのサーフボードは「職人技」であることを誰がどれだけ認識しているのだろうか。

ハンドシェイプ=つまり人の手で削ったサーフボードというのは、職人の極みの道具だから量産品のサーフボードとは、根本的に違うのです。

それは1枚1枚に入魂された「技」の1点ものでありコピーが利かない代物。

その精魂こめたスピリッツが入っている「人の手が作ったもの」は愛があり、愛のないものとは違うのです。

たぶん、世の中はピンと来ていない気もするのですね。お母さんの手料理と一緒、といったらわかるのかな。

サーフボードは「人が削る」ものと「マシン」が削るものと2つあってね、と説明しない限りわからない時代になってしまった。

「高い!」と一言で片づける人が多いのは、そういう知識がないか、価値を感じないか、経済的なことのいずれかかな。

今回、職人(クラフトマン)のミニフィンの波田野さんが亡くなって身に染みて思うのは、職人は、死んだら、終わる、ということ。だから職人を継ぐ「後継者」は、同じではないけれど、その手法やスピリットを後継していくから尊いのですね。名前まで襲名することは素晴らしい後継行動だと思う。

サーフボードだって、そのくらい尊いのです。

写真は、波田野さんが見てニヤニヤしていた、アメリカの古き良き時代のフィンのカタログ(一番下)。

サーフィンとは、アメリカから入ってきた遊びだから、当時の60、70年代の初期の人たちはアメリカ雑誌やカタログが宝物だったのでしょうね~。きっとワクワクしながら見ていたのでしょう。(笑)

一番上の写真は、BLUERでのミニフィンのマカハモデルおよびJAPANエディションの市松、変形市松、和紙シリーズのモチーフのフォルムとなったBREWER(ブリューワー)モデルのフィンの写真。1970年代に世界で人気を博し、どのブランドもがこぞって作った当時人気のフィンだったらしい。(と波田野さんが笑顔で語っていたのです)

ということでタイトルのとおり、サーフボードは職人技だということを、誰がどれだけ認識しているのだろうか、という、その答えはわからぬままですが、もう時短なる時代でもないから、物についても、安くて沢山買わず、スピリッツの入った良いものを少量でいいから持つと、とても豊かになると思うのですね。

最後に。

わたしたちBLUERは、人の手が作るものを心より愛し尊敬し、サーフボード、洋服、サーフトランクス、食べ物も、精魂こめて創っている人を支援していく、という所信表明でもあります。

words by Naoko BLUER Tanaka