錦織選手から学ぶ「サーフィン上達法」。この秋、少しでも上手くなるには!?
[コラム]錦織選手にみるサーフィン上達法
サーフィンはスポーツが多数ある中でも、特に上達しないスポーツ。
なかなか上達しないから何度も海にいくようになり、次第にサーフィンがライフスタイルのようになってしまう人も少なくない。
楽しむことを目的としているなら別なのだが、やはり少しでも上達したいと思ったら戦略的にやらないと上手くならない。サーフィンの場合、難解な要素が複数存在するために、特に「上達が難しい」と言えるのではないだろうか。
このほど全米オープンで準優勝した錦織選手を子供の頃からテレビで見ていた人ならば、今回の準優勝は感慨深いものがあったと思う。
トップには勝てなかった選手が世界NO.1に勝つというドラマティックな時間の経過を見ていると、やはりブレイクスルーポイントが彼の中にあったのである。その1つが、まさしくマイケル・チャンという世界のトップを経験した人物がコーチとなり、メンタルもフィジカルにも、直接学んで吸収したことに、そのポイントがあった。
今までの自分を越えたからその結果、トップレベルに躍進してきているのである。
少しでも自身の「サーフィンを上達させたい」と思うなら、そこにヒントが潜んでいるとも言えるのだ。
1)練習量を増やす。毎日やる
1つは回数をこなす=練習量を増やすことだ。
とにかく、それに打ち込んで練習量を増やし日常化することで、波のバリエーションも経験するようになり身近なものとなる。
「環境面」が非常に難しいサーフィンは海から離れたところに住む一般サーファーにとって、週末サーフィンという形で週に1〜2回練習したとしても、果たしてどれだけの成果が見込めるかといえば、コンスタントに毎日の人に比べれば当然不利である。
加えて、サーフィンにとってのもっとも難しい環境、つまり「最適な波がたつかどうか」ということこそ難題であるため、その自然を相手に難関を突破してなお、毎日海に入という状況は、ここ日本においてはほぼ難しいとも言える。そういうわけで、日本での「サーフィン上達」は、自分が自発的に海に行く、とか行かない、という物理上の移動の努力の他に、まさに、行っても、できるかできないか、という「環境」というハードルがある、という事になる。
2)客観的にライディングを判断する
練習量を増やすことと同時に必要なのは「客観性」である。
サーフィンを始めてから何かできるようになってくると、自分がどんなライディングをしているのかが気になってくる。そうなれば、友達なのか彼氏や彼女、奥様やダンナさんに自分のライディングを撮影してもらう。しかし、このライディングを撮影が、意外と面倒くさく、毎回、しっかりと撮影してくれる人もいなければ、その映像を編集して保存していくなどはとても面倒な作業だ。
この「客観性」はカッコ良く見えるとか、フォームがカッコわるいということがまず気になるが、自分が想像する所とはまったく違うライディングフォームが映像には写っていることに愕然とするのが常だ。
しかし、そのような表層的なこと以上に、「客観的な目線」でチェックすされることで、上達の妨げになっていることが浮き彫りとなり、そのNGを排除し改善していく事、それがしっかりと身に付くことによって上達に近づくことは当然の上達プロセスである。
それを前述のサーフキャンプでは現役のプロサーファーが指摘してくれるわけだから、さらに的確な指示が飛んでくるわけである。
錦織選手の成長も、13歳から日本を離れ、これらの「管理された環境下」において完全なるトレーニングを積んできたこと、それが、的確なコーチによって指導がなされればなされる程、勝利に近づくわけで、なおかつ、コーチのスキルやそれを放棄せず続けて身につけた力があったからこそのものであった。彼がずっと日本にいたらグランドスラムどころか、まったくの無名で終わっていた可能性もあるわけであり、一流の環境に身を置いたことが結果を作り上げたわけだ。
世界の一流アスリートを目指すということではなく、自分のサーフィンが少しでも上達するように考えたとしても、「客観的な指摘」をもって可能になることがあるだろう。
繰り返しになるがHIC Girls Surf Campは、まさに女性による女性のための上達トレーニングだが、このような「仕組み」が日本でも更に盛んに行われたり、または、初心者を脱し次のステップに突入しているサーファーが更なる上達を求めるトレーニングの場が更に増えればとも思う。
ビデオを撮り、自分でそのNGポイントを確認するのも悪くないが、そのような客観性の場があれば、ぜひ中級者でこそ、入会することをお勧めしたい。
サーフショップなどに是非問合せをしてみよう。初心者以外の中級者を対応してくれるスクールやサーフショップは多い。
クセがついている人や、うまくならないツボが一向に分からず、ずっと良くないフィームや、やり方を繰り返しているケースは多いものだ。
少し余談になるが、実はこのほど、サーフボードブランドのHICさんのご好意でGirls surf campという谷口絵里菜プロと水野亜沙子プロによる「サーフィンスクール」を取材させていただいた。
http://www.bluer.co/surfingnews/special/magazine/?id=3
サーフィンに出逢ってから20年以上経過する自身にとっては、前職で開催した「サーフィンスクール」や別の取材でお邪魔したキッズサーフィンスクール程度の認識しかなかった。また、スクールと言えば”初心者”を想像するのであり、ある程度の時間やレベルにあるサーファーにとっては無縁のものであると思っていたが、見事に裏切られたスクールだった。
今回の取材対象となった女性2名は、いずれもサーフィン歴10年近くになるサーファー。いままでスクールに行った回数は? という問いに対してはなんと「40回」という答えに、まず驚いてしまった。
サーフィンスクールは、開始する時、せめてテイクオフできるまで2〜3回行くレベルのかと思い込んでいたのだが否、40回も繰り返し、人から教えてもらっているということ、しかも、スクールを何度も経験した果てに、最終的には”現在コンペに出場しているHOTなプロサーファーに教えてもらう”所に行き着いたこの2名の一般サーファーは、ある意味、とても上昇志向が強く、トップアマチュアということでもなく、「自分のサーフィンを上達させる」という点において、そこに至っていることも含め、かなり先進的な一般サーファーだと言えるだろうと思う。
このHICのプロサーファーによるGirls surf campは、たしかに「スクール」という単語を使用していない。初心者向けには「スクール」というのがあるわけで、この中級者向けの上達講座は、「camp」なのである。
たとえば、ご存知のように、オーストラリアは国自体がスポーツとしての”サーフィン環境”を作り上げている。
国が世界のトップに立つアスリートを育てるべく肉体的、精神的なトレーニングメニューを作り上げ、選手の育成のみならず優秀なコーチの育成、ジャッジの育成など、すべてにおいて必要なファンクションを長いこと作り上げてきている。これらの英才教育を子供の頃から受けることができ、かつサーフキャンプのような単発のトレーニングもプロサーファー主催のもとに多数行われている「オーストラリア」は、まさにサーフィン大国、エリートが育つ環境ができているのである。
現に、WCTトップランカー36名中13人がオージーサーファーである。オーストラリアがトップに締める割合、見事に36%!
ちなみにアメリカは意外にも5人、つまり13.8%。同じ国であるが明確に別地域としているハワイの3名を含めても22%でオージーには追いついていない。
また初のブラジリアンサーファー誕生か?のガブリエル・メディーナのブラジルは7人と、なんとアメリカを上回る19.4%もシェアを占めている。
このように、世界トップランカーはオーストラリア、ブラジル、アメリカ(ハワイ含む)が多くを占めていることになる。
1)反復する、NGを徹底的につぶす
そして3つ目は、改善ポイントを徹底的に反復することだ。
基礎練習をしっかりとこなしていれば、ある程度、上達してくるものだ。しかし、改善すべき箇所を客観的に確認してもらった上で、そこを徹底的に改善する反復練習を行えば、弱点を克服することが可能だ。
13歳で渡米後は相当な練習量をこなし、昨今ではマイケル・チャンコーチによる反復練習はあまりにも有名となった。同じアクションを繰り返し行うことで、成功確度の高いストロークを手に入れることが可能となった。
かなりベーシックな「サーフィン上達法」はこのようなことであり、しかし、本格的なるプロ選手になるには、更にさまざまな要素が必要だ。
戦術面の強化、精神の強化、カラダ作りのためのトレーニング、コントロールされた食事、海外で渡り合っていける語学力やポジティブ思考などなど…。
これは今の日本の、あらゆるスポーツに言えることでもあが、勝つには、根性論ではなくて、ある程度ドライな勝利のシステムが必要だ。
そんな「勝つための環境」が作れるかどうかが、世界の中で勝てるかにかかってくる。
「最適な波がたつかどうか」という、日本のサーフィン環境と、上記のような「勝つための環境が揃うかどうか」。
早くは錦織選手のように、それが整う世界に自ら飛び込んでいくプロサーファーも多いが、日本でのコンペティションがある限り、はやり、しっかりとした「システム整備」が必要ではあるだろう。
さてさて、少しでもサーフィンが上達するには、なるべく時間をあけず、理想的には毎日コンスタントに練習すること、客観的に指摘してもらうこと、NGポイントをしっかり抽出して弱点を徹底的になくすこと。
言うは易し。
Keep on surfing!!
Surfing at St Ives photo by David Merrett
https://www.flickr.com/photos/davehamster/274047545/
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