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Update:202008.07FriCategory : Namiaru?

なみある?塩田気象予報士の波や天気のお話。【2020年夏の波は!?】

今年の7月はほぼ毎日日本列島に前線が停滞し、長い長い梅雨でしたが、台風4号が南から太平洋高気圧を引っ張り上げるように、九州~東北南部では7月末~8月2日ごろに梅雨明けし、やーっと夏がやってきました♪

とは言え、8月上旬の現在、東北北部や北海道付近には前線がかかり、梅雨がないはずの北海道で雨が降りやすい日が続いています。
北上するとともに消滅するはずの前線が北日本に残っています。

例年、太平洋高気圧が徐々に張り出してくる梅雨の終わり頃になると、フィリピン付近に発生する台風が、太平洋高気圧の縁に沿って中国大陸へ進み、一旦消滅したように見せかけて、梅雨前線上の低気圧へと姿を変えて日本付近へ進んでくることがあります。そういった場合、本州付近にかかる前線上を東進していく場合が多いのです。
がしかし、8月のいま現在、北日本に前線がかかり、台風4号から変わった温帯低気圧が大陸から日本海へ、そして今日7日には北海道を通過しています。

8月6日気象庁発表の1か月予報では、
平均気温は全国的に平年に比べ高く、降水量は北日本を除き少なめ。

今年は、太平洋高気圧が南にやや偏りつつ西へ張り出しているため、南~西~東日本では暑い熱い夏となっています。チベット高気圧が日本付近まで張り出し、その下に太平洋高気圧が!
厚い布団2枚重ね状態で熱気がこもり、猛暑の条件にばっちりはまっているのです。

さて、そんなこの夏の波はどうなのか?!

まず、太平洋側は、太平洋高気圧の吹き出しによる東~南東ウネリが穏やか続くでしょう。高気圧がもう少し北へ偏るとウネリが強まるのですが、それはあまり期待できず。
東向きのポイントはやや物足りないところもありながら、何とか出来る日が続きそうです。
そして、西~東日本の本州沿岸では南西風が吹きやすい状態が続き、加えて気温の上昇による海風で、南向きのポイントでは、波はまとまっていないけれども出来るところ、日が多いでしょう。

一方、日本海側は、夏はオフシーズンでフラットが続く年も多いのですが、太平洋高気圧の縁辺付近で南西風が吹きやすい状態が続き、西向きのポイントでは何とか波が続きそう。

そして、気になる今後の台風の発生は、というと、、

7月10日の気象庁発表のエルニーニョ監視速報では、
・エルニーニョ現象、ラニーニャ現象ともに発生していないが、一部にラニーニャ現象時の特徴がみられる。
・秋にかけてラニーニャ現象が発生する可能が40%。
となっています。

今後秋まではラニーニャ気味となりそうですね。
そうすると、熱帯の対流活動が活発なエリアが西に偏る傾向となります。
対流活動が活発→積乱雲がたくさん発生→その集合体がやがて熱帯低気圧(台風)となりますから、平年、台風が多く発生するフィリピンの東海上よりも西へずれたところでの発生が増えるしょう。


日本付近と南の海上の海面水温は、一部を除き平年よりも1~2℃程度高くなっています。
海面水温26~27℃以上の海域で発生し、28℃以上の海域で発達していく台風の条件は揃っています。

今のところ台風の発生数が少ない2020年ですが、今後は増えることが予想されます。
太平洋高気圧は西へ張り出しているため、夏の間は本州へ上陸せずに、中国大陸方面へ進むことが多い見込みです(日本付近では台風は高気圧の縁に沿って進む)。
ただし、高気圧の勢力が弱まると、押しやるように日本列島へ近づく可能性もあります。
南の海上の台風が発生したら、予想進路などをちょくちょく確認してみてください。

さて、台風5号がそろそろ発生しそうな化外がありますが、数日後には西~東日本の太平洋側に南~南西ウネリをもたらしてくれそうです。
ただし、南西諸島は台風の通り道近くにあたるため、充分なご注意を。

8月は、全国的にぺったんこになることはなく、どこかには波がありそうです。

気象予報士
塩田久実