映画『マーヴェリックス』に見るサーファー的マインド
この度、BLUER (ブルーアー)で記事を書かせてもらうことになりました吉岡です。僕はOSHMAN’S (オッシュマンズ) というスポーツショップに勤務しており、なかでもサーフィン分野の販売・商品に長らく携わってきたので、サーフィンにまつわる気になるモノ・コトについて紹介していきます。
第1回目の今回はサーファー的マインドに触れながら、先週末に公開になったこの夏必見の映画『マーヴェリックス』を紹介したいと思います。
この映画は16歳で伝説のビッグウェイブ“マーヴェリックス”に挑み、22歳で短い生涯を終えたジェイ・モリアリティと、その師匠フロスティ・ヘッソンの2人に関わる実話をもとに作られた映画です。
サーファー的に嬉しいのは、サーファーのマインドが変に歪められずに描かれているところ。一般サーファーの僕らからすれば相当別次元の話ではあるものの「そうそう、コレなんだよね〜!」と声を上げたくなってしまうポイントが盛りだくさんなのです。
サーフィンが世間になかなか理解されない原因を少し考えてみると、「競技は存在するけれど、まったく競技性を求めなくても成立する超個人的なところ」というポイントがあげられるでしょう。多くのスポーツはなんらかの競技性があり存在していますが(サーフィンがスポーツか否かは置いておいて)、サーフィンはただやることに意味があるスポーツといえます。
サーフィンから派生したスケートボード・スノーボード以外では、ヨガや登山などに似ているでしょうか。このようなスポーツは追求するとライフワークになったり、ハマるとライフスタイルに大きく影響してくるという特徴があります。この映画の中でも、ただ自分のためだけに最大級のビッグウェイブに挑むサーファーは、ただひたむきにエベレストに挑む個人登山家などに近いのではないか、と感じました。
実はサーフィンはかなりハードなアウトドアスポーツなのです。本当に自然を近くに感じるというか、その中にどっぷり浸かり、その中でもみくちゃにされるというスポーツです。すべては自然現象の波(元はといえば風、潮の満干・海岸・海底の地形に大きく左右される)次第ということで、サーフィンにハマると気象情報に詳しくなったり、風向きを常に気にしたり、志向がナチュラルになったり・・・そんな“サーファー”に主人公ジェイ少年がなっていくのが微笑ましくもあり、途中からはやりたいことに忠実で、ひたむきに行動している主人公にうらやましさと自分自身へのふがいなさを感じ、なんだか複雑な心境になってしまいました。
望む波のサイズなどレベルの違いはとてつもなくあるにせよ、サーファー的に共感できるポイントが満載です。それ以外にも師匠と弟子の絆、家族のなかで展開するドラマは誰もが感動すること間違いありません。さらに巨大な波を大スクリーンと大音量で体験するアトラクション的要素など、この映画には魅力がいっぱいなのです。
ということで、とても良い内容の映画なので多くの方に観ていただき、サーフィンのマインドを少しでも理解していただけたら幸いです。奥様や彼女にこの“超個人的マインド”を理解して欲しいと思っている男性は、映画館に連れて行くことを強くお勧めします。
★6/15(土)ヒューマントラストシネマ渋谷・シネリーブル池袋ほか全国ロードショー
★映画「マーヴェリックス/波に魅せられた男たち」公式サイト
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