ラコステが表現する、スポーツのあるライフスタイル
学生の頃だったから、頃合いは90年代。ラコステのポロシャツは本国フランス以外にアメリカのアイゾッド社がライセンス生産をして、フランス産かアメリカ産でシルエットが変わり、好みが大きくわかれたことを思い出す。
シルエットによってコーディネートの雰囲気も変わり、前後のスリットが同じ丈のフランス産はエレガント、丈の長さが変わるアメリカ産はカジュアルな着こなしが楽しめた。しかも色が豊富で、それなりにいい値段がしていたことから、購入の際には迷いに迷ったことを覚えている。新品は買えないから原宿のヴォイスやシカゴやサンタモニカで古着を、という具合にワードローブを増やしていった。
気軽に着られるポロシャツが長く愛されているこのラコステ、実はもう80年もの歴史を持つ。創業は1933年で、ウインブルドンを2度制したフランスの名プレイヤー、ルネ・ラコステが立ち上げた。昨今こそニューヨークコレクションなどにも参加して、ファッションブランドとしての道を模索していたが、ここにきて改めてブランドの根幹である“スポーツ”色を強くプッシュ。ラコステ・ラボ( http://www.lacoste.co.jp/lab/)というプロジェクトとしてスポーツのアイテム開発をスタート。“スポーツ”のある“ファッション”、“ファッション”のある“スポーツ”という世界観を打ち出そうとしている。
一方で、2年ほど前に立ち上げたラコステ・ライブ(http://www.lacoste.co.jp/live/jpn/home)はサブカル的なアプローチを取る新ライン。アーティストの花井祐介、ナチュラル・マインド・サーフボードのシェイパー関澤英高を起用したPVが製作されたりと、サーフ、スケート、スノーボードとの接点を増やす展開が予想される。
ファッション界では、ライフスタイルが表現におけるひとつのアプローチとなってひさしい。ラコステは自身のルーツであるテニスを筆頭としたスポーツをテーマに表現していくことになりそうで、そのなかにボードスポーツは組み込まれた。本国フランスもサーフィン大国。今後のウェアにサーフマインドはどう表現されていくのか、はたして。
written by 小山内 隆
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