<特集>週末を楽しむビーチトリップ Vol.2「SUMMER BEACH IN NORTH CHIBA」
一宮エリアのメジャースポットを紹介
1) 一宮ビーチ
九十九里有料道路をおり、一宮川を越えたあたりが一宮ビーチの北端となる。一宮エリアのメインビーチは、夏は海水浴場となることから県外から多くの人を集め、またコンスタントに波がブレイクすることからシーズンを通してサーファーが集う場所となっている。うねりは北東から南東までを幅広く拾い、西風がストレートなオフショアとなる。南うねりも太東岬に遮られることなくキャッチするため、太東、志田下周辺の波のサイズに比べて1〜2サイズ大きいことが往々にしてあることを覚えておきたい。
「現在の地形はそれほど良くはありません。それでも潮が引いている時間帯が好コンディション。ハイタイドは潮が多く、波がボヨついてしまうんです」と教えてくれたのは、一宮をホームグラウンドとする酒井正洋さん。全国レベルのコンテストで上位の結果を残すトップアマとして活躍している。
「よくサーフィンするのは現在海水浴場となっている正面のポイント。海に向かって左奥のポイントは波が厚めになっていて、今の地形だとショートボードは少々キツイように思います。ただ夏はシーズンを通じてサーフできるコンディションが続きます。日中によく吹く南風でも波はザワつく程度ですし、正面のポイントでは堤防が風をさえぎってくれるので良い波の時が多いですね」
一宮は夏より冬の方が波は良いという。それでも年間を通じてコンスタントにサーフできる環境が何よりもの魅力。広いビーチを見渡せば、どこかしらでサーフ可能な場所を見つけることができる。
「よく聞かれることだと思いますが、改めてマナーとモラルは守って欲しいと思います。季節柄、トラブルを見かけることが少なくないためです。たとえば前乗りはルール違反。そのようなことを、ひとりひとりが心がけて、楽しくサーフィンしてもらいたいと思います」
もうひとつ覚えておきたいのは駐車場が有料となったこと。この背景にはビーチ環境を整備するうえで必要な費用を獲得する目的がある。雨が降るとぬかるみ凸凹となった志田下がキレイに整備されたのは、ホテル一宮シーサイドオーツカを経営する株式会社大塚商会の会長から、整備目的の寄付が一宮町へあったため。町のキャッチフレーズ、“緑と海と太陽のまち”を実現するためのもので、引き続き町としては、駐車場を有料とすることで資金を確保し、さらなる整備を進めようとしている。
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2) 東浪見ビーチ
長らく工事が続き、ビーチ内での駐車ができない状況の東浪見ビーチ。しかし先日、志田下方面へ向かった右手、シークエンスサーフストアの隣に有料駐車場がオープン。東浪見ビーチ正面でのサーフが安心して楽しめるようになった。
この東浪見ビーチ、かつてはサーフィン世界大会の舞台として賑わいを見せた場所。これまで歴史的な名勝負を多数生み出してきた。その波について、現在夏の地形になっているというのは蛸優樹プロ。上述したシークエンスサーフストアのオーナーでもあり、東浪見の状況を毎日のようにチェックしている。
「東浪見のビーチを正面に、右手にある堤防の脇からブレイクするレギュラーが良いですね。シダトラという東浪見と志田下の間のポイントでは良いグーフィーが割れています」
同じく、正面右手の堤防からブレイクする波が良いというのはパタゴニアサーフ千葉のスタッフ、牧野知生さん。
「砂がきちんとついているのでパワーのある良い波が楽しめます。潮が満ちている状態から引きへ向かう時には掘れた波も期待ができます。夏は南風が吹きやすい季節ですが、東浪見の場合、南風はサイドのオフショアとなって、ザワつく程度。しかも日中は早朝と夕方に比べてサーファーの数も少ないのでオススメです」
夏の地形は、南からのうねりだと良質なレギュラーが楽しめ、北からのうねりだとダンパーになってしまう。風については、南風でも波質に影響がないとすれば、基本的には夏の間はずっとサーフができるということになる。
トランクス1枚でサーフできる夏は、誰もが存分に季節の恩恵を味わいたいと思う。つまり夏の海は混雑必至。しかも東浪見はショートボーダーとロングボーダーが混在するスポットなため、「みんなが楽しくサーフするために、マナーやモラルがいっそう問われる季節になったと思います」と蛸プロはいう。
その蛸プロはショップで毎日のようにスクールをおこない、参加する顔ぶれにサーフィンがレジャー化していることを実感している。
「サーフィンは裾野が明らかに広がりましたね。若い人や高齢の方までがスクールに参加してくれて、みんな楽しんで帰宅されます。素直に嬉しいと思いますよ。僕が好きで続けてきたサーフィンの楽しさが、初めてトライした人にも伝わったんですから」
サーフィンは楽しい。たくさん波に乗りたい。その気持ちは、海の中で波を待っているみんなが抱いているものなのだと、改めて蛸プロのエピソードは教えてくれる。特に多くの人が海へ足を運ぶこの季節。上記のエピソードを胸に、わずかばかりの時間しかない夏を大いに楽しみたい。
@SHIDASHITA
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