元国連職員サーファーが立ち上げた注目ブランド『トゥーサーズ』
元国連職員が立ち上げたライフスタイルブランドがある。
『トゥーサーズ』というブランド名で、2/3を意味し、地表の2/3を海が占めていることを理由にしている。
海は尊い。
そう思うから扱う製品にはオーガニックコットンやリサイクル繊維、ファクトリーに使われず眠っているデッドストックの生地を率先して使用。デザインにおける自由な表現がファッションの魅力であるものの、みずからその自由を奪い、環境にやさしい製品づくりを目指している。
スペイン北東部のサンセバスチャンで同ブランドを立ち上げた中心人物は、国連の研究員だったルッツ・シュウェンケ(写真下)。彼は、発展途上国でおこなった数多の環境リサーチを通じ、先進国の物質的な豊かさのために途上国の環境が汚される事実を見てきた。そうしてサステイナブルな暮らしの在り方を考えだし、かつサーファーという自身のルーツを絡めてひとつの結論を出した。それが『トゥーサーズ』。海とリンクするライフスタイルブランドを通じて、本当の豊かさを世に問うことだった。
「今のファッションはすべてがスピーディーに展開しています。けれど僕らはまったく急いでいないし、ビッグビジネスも必要ないと思っています。海とリンクした暮らしをテーマにして、笑顔の生まれる繋がりを築いていきたいですね。だからまずはパドルアウト。これがとても重要なんですよ」
生産工程で使用する水量も可能な限り少なくしているなど、環境への配慮を尽くす『トゥーサーズ』は、そのうえで長く愛用できるオーセンティックな洗練さを目指す。そしてアウトドアブランドではなく、アパレルを中心としたライフスタイルブランドとしてのさらなる発展を考え、今夏、本拠地を大西洋岸のサンセバスチャンから地中海沿岸の大都市バルセロナへ移した。
バルセロナはスペイン第2の都市。世界への玄関口であり、欧州、北米、そして日本やアジア、いずれの国へも地方都市のサンセバスチャンより遥かに近い。
「たしかに大西洋に比べると波は少ないですが、ロングボードなら楽しめる波が十分にあります。それにサーファーがとても増えているんですよ。サンセバスチャンより暖かいし、ビーチタウンとしての魅力が増しているんです」
新しい拠点でルッツたちは大いなる夢を見る。そのひとつが、今秋からスタートするサーフボードのプロデュース。フランスの名サーフスポット、ギタリーではビーチハウスも展開するという。
順調にステップを踏むように、次々と彼らの思う理想のライフスタイル像が現実化していく。『トゥーサーズ』が提案する海とつながったライフスタイル、いわば“BLUE LIFESTYLE”と呼ぶ青の新世界が、スペインから発信されていく。
バルセロナにオープンした基幹店
住所:Calle Duc 8, 08002 Barcelona
営業:11am〜21pm
サーフボードはサンセバスチャンに拠点を置くプカスサーフボードとの共同プロジェクト。プカスはサーフィンの世界大会のスポンサーになるなどスペインサーフィンの発展に貢献してきたことで当地ではメジャーな存在。