Update:201406.23MonCategory : BLUERマガジン
『COYOTE(コヨーテ)』最新刊はノースショアをテーマに海の良さを活字でつづる
某スポーツ総合誌の場合、サッカー特集は売れ線だけれど野球特集は今ひとつ、なのだと聞く。サッカーファンには活字好きが多いというのが理由のひとつ。そう言われてみると、売れないとされるスポーツノンフィクションや単行本の分野でも、サッカー関連は多くのタイトルが並ぶ。
ワールドカップというビッグイベントがある時は絶好のタイミング。けれど、それ以外の時でも、雑誌、書籍は数を多く見るのだからそうした傾向があるのだろう。
では海好きは? サーフ好きは?
おそらく活字より写真や映像といったビジュアルを好む人が多いはず。とくに戦術を要するものではないし、むしろサーフィンにはエモーショナルな要素が強い。ビッグウェイブに突っ込む状況を描写したロングストーリーより、迫力ある映像を見せられた方が圧倒されるというもの。感覚は解放されるし、まさしく“ストーク!”な状態に入ることができる。
とはいえ、「海サイコー!」「サーフィン最高!」という言葉しか持ちえないのは最良ではない。何が最高なのかを、海やサーフィンを知らない人に伝えることができないからだ。
そこで『COYOTE(コヨーテ)』最新刊。昨年にはパタゴニア40周年記念号を発売するなど、年に1〜2度のペースで海をテーマに特集を組み、多くの言葉でつづる同誌。今号は“ノースショアに暮らす”をテーマに、ジェリー・ロペス、ジャック・ジョンソン、デール・ホープらのストーリーがたっぷり。片岡義男の掌編もあり、海の良さ、サーフィンの良さを活字で堪能したい人には必読の書。今よりも海の良さを言葉にできるようになるはずだ。