Update:201508.03MonCategory : BLUERマガジン

海とともに暮らす湘南の祭・関東三大奇祭「浜降祭」レポート

今年も海の日の深夜1時過ぎ、初詣で有名な寒川神社の御神輿が輿殿を出発した。

寒川神社につづき、周辺の寒川町、茅ヶ崎市の各地から、約40基の御神輿が茅ヶ崎海岸を目指すのが関東三大奇祭にも数えられる「浜降祭」だ。担ぎ手は、深夜から翌日の夕方に神輿が神社に戻るまで、「どっこいどっこい」という独特のかけ声のもと、夏到来をつげる灼熱の町中練り歩く。

また、この祭りの特徴は、禊ぎとして、海の中に御神輿が突っ込むことだ。

今年は台風の影響で波が高く、水没しそうになった神輿もあった。多くの神輿が海の中をも練り歩く。その姿は雄壮そのもの。

浜には、竹による鳥居が建てられずらりと並ぶ神輿、荒波の波しぶきと波音の中で行われる祭典は、一見の価値がある。

伝統行事らしく、町内の結び付きが強い地域では「練習用神輿」が存在し、その担ぎっぷりが競われる。近年は関東各地や遠方から参加する担ぎ手も多い。中には、地元茅ヶ崎のサーフショップやマリンスポーツを楽しむチームが声かけの中心となって集うところもある。

浜降祭の起源は、漁師同士の争いから御神輿が川にながされてしまったが、その後、地引網に御神体が引き上げられたという物語にあるとも言われている。
海とともに暮らす湘南ならではの祭なのである。この海をフィールドとする漁師はもちろん、サーファーや海を敬い、愛する人々が雄大な富士の眺めのもと浜につどう姿は、とても素晴らしい。

夜中に出発する御神輿は、ある年は月明かりとともに、未明の明け行く空のもと浜へと進む。男性のみならず、女性も多く参加するようになっており、女性ばかりで担ぐ「レディースタイム」を意図的につくる神輿会もある。湘南海岸を楽しむ一つとして、浜降祭はかかせない。来年は、観覧ももちろん、担ぎ手に参加し、暁の浜を練り歩くことをお勧めしたい。

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