Update:201509.09WedCategory : BLUERマガジン

柴犬ラニとの1,300kmロードトリップ|3,600km走破・総集編

special edition
GO WEST!!
柴犬ラニと1,300kmロードトリップ
Road trip in Japan
♯FINAL
3600km走破・総集編


東京から片道1,300km。
オール車泊という
過酷なロードトリップ・ドキュメンタリー!
プロサーファー北村吉代プロと柴犬ラニ。
すでに10回以上も九州を往復するこのふたりだが
台風15号の直撃にみまわれながら無事に退避。
その翌日には福岡のすばらしい波に恵まれた。
すでに九州から東京へ帰還したふたり。
この旅で何を得、何を思ったのか。

Trip Photos by Yoshishiro "moo" kitamura
Text by BLUER

2015年8月11日深夜。

柴犬ラニと東京を出発した北村吉代プロは
大阪を経由したあとは旅の第一の目的地である宮崎、そして第二の目的地である大分へ。

そして知人と会う予定だった第三の目的地の福岡は
思いがけない台風15号の直撃を受けてしまったものの、台風一過による素晴しい波に恵まれ
初めての福岡でのサーフィンは素晴しい思い出に。

しかし。

ここまで17日間、2週間を越えるオール車泊の旅は過酷な旅になっていた。
写真からは楽しそうな光景が広がってはいるが30度を越える暑さの中、すべて一台の車の中で過ごし愛犬ラニのケアをしながらサーフィン、そして車泊、移動するという過酷なもの。

この旅で何を得、思ったのか、その言葉を聞いた。

自分が伝えたいのは、好きな事、趣味のために全てを犠牲にして突っ走る、ということです。
好きな事、趣味に時間を使う人が減っている気がします。
お金と時間があれば海外旅行、といった当たり前の返事があるように思います。
逆に時間もお金もない人は行動も出来ない。
でもそうではないんです。
やる気になれば国内でも海外旅行以上の冒険が出来るし、低予算で考え付く知恵もつくはずです。

今回の旅で大勢のみなさんに『うらやましいですね』なんて言われました。
“うらやましい事”なんて何一つしていると思いません。

自分が思うのは、そんなうらやましい事ができないと思っている人でも
ぜひ行動してほしいということです。
誰かと一緒でないとダメな人が増えた気がしています。
大勢で行く旅は一見、楽しいものかもしれません。
みんなで予定を合わせ休みを取り行動も生活も一緒。
一人脱線するわけには行かないから必ず団体行動をする。
それぞれのみんなの力で知恵がありトラブルも怖くないかもしれません。
しかし、それも楽しい旅の思い出ですが
自分の力で困難をきり拓く先には
今まで見えなかった素晴しい景色が見えてくること
そして、困難に向かっていると自分が常に初心の気持ちでいることができます。

今回は初の福岡の海でした。周りは知らない人ばかりで
ポイントも入っていいのか悪いのか、すべて初めてだらけでした。
不安だったのもありますが初心に戻り
気持ちを引き締められた事が普段味わえない新鮮な面でした。

周りを気にしないサーファーが多いのも初心に戻る瞬間がないからではないでしょうか?
それは、サーフィンに限ったことではありません。
常に初心でいることは、どんな人でも必要な行動だと考えています。

そして、今回の旅でもしみなさんに感じてもらえることがあるとすれば
好きな事、趣味にどれだけ時間を使うか
それは、何かを犠牲にしてまで行動できるか、です。
好きな事、チャレンジしたいことは、絶対やるべきです。
やれば実現するはずです。

自分は人に魅了させるサーフィンを心がけるのが好きです。
他人が出来ない事をうらやましがられる行動も大好きです。
当然そんな人は大勢いると思いますが、犬と一緒という事になればもっと珍しいケースかもしれません。
この暑い炎天下の中で自分はサーフィンしていますが
愛犬のラニはそれを待っていてくれます。
でも正直、とても大変です。サーフィンどころではないのです。
気になって、しかも無知らぬ土地で飼い主に待ってろなんてお互い不安です。

サーフィンと愛犬。犬と一緒に趣味のために行動します。
でもそれがサーフィンでなくてもいいのです。釣りやキャンプでも。
予定すらない日々を送る事を見ている人に
いつかこんな馬鹿な人の真似したいと思ってもらえたら
それでいいと思っています。
雑誌の知識だけで行動してるバーチャルな人にはなってほしくない。
あとは、自分のオリジナルを残したいだけです。

旅やトリップ、サーフィンに行くときは
ホテルや民宿に自由に泊まれるわけでもなく愛犬ラニがいることもあって難しい場合が多いのです。
車泊は好きでやっているというのもありますが
必然的にそうせざるを得ない状況になります。

自分がサーファーという職業であることもありますが
車の中で休憩したり寝る、という行動は、とても自然な行動でもあります。

サーフボードをはじめ、様々な道具が必要ですし、
また自分がサーフィンしている間にラニの退避場所としてテントを用意したりと
荷物はかなり膨らんでしまいます。

そんなときに出逢ったのが「ストリームトレイル」でした。

防水、頑丈、機能的な収納。とにかく自分のライフスタイルにしっくりきました。
ウェットスーツやトランクスなど濡れるものはもちろん
今ではキャンプ用品のコンロ、鍋、テーブルにチェアといった大型のものも
すべてジャンル別に格納しています。

後部座席は、すべてストリームトレイルのバッグにジャンル別に収納し
その上にベッドになる台が置いてあります。

家でも車でもそうですが、いかに整理して収納するか、取り出しやすく配置するかです。

ぜひ試してみてください。

車泊はホテルのような設備はありませんから、かなりの工夫や周囲の方のご協力なくして成り立ちません。

よく聞かれるのがお風呂。
旅先では、まず日帰り風呂を検索し探します。

地方ではワンコインで入れる素敵な露天やジャグジー付風呂がたくさんあるので利用します。
基本は積載している大量のポリタンクでシャンプーで全身丸洗いします。
水は道の駅など、公共の場から頂いたり、また場所によっては許可を得て水場をお借りしまりもします。
周囲の方に迷惑のかからない行動を心がけねばなりません。

また夏の車泊でいつも快適に過ごせるアイテムが虫除けネット(写真・下左)です。

密閉空間の車は通気性がありませんから、滞在場所としては空気の流れが必要です。
ただ決まって海や自然溢れる空間は「虫」との戦いになります。
そんなときに、虫除けネットを見つけ設置。いわゆる蚊帳(かや)ですね。
虫よけにもなり、空気循環もする。とても便利なアイテムです。

そしてもう1つ。
今回の旅を快適にしてくれたのは扇風機。(写真・下右)
電池で動く簡易なものですが、結構パワーがあって涼しいんです。

※写真は全身丸洗いの図。スケキヨさんではありません。

愛犬と旅するのは大変だけれど可能なことです。

よく旅行に行く時に、愛犬をペットホテルや知人宅、実家などに預ける方も多いと思います。
場所によりそうせざるを得ない場合も多いのですが
このようなアウトドアな旅に愛犬を連れて行くのは可能です。

ただし犬が今どのような状況にあるのか、何をほしがっているのか、何をしたいのか、
常に考えながら行動しなくてはなりません。

自分がサーフィンをしている間、当然、愛犬ラニを待たせなければなりません。
誰かが見てくれているわけではありません。

夏は特に暑いですから、愛犬用のテントを用意します。
日陰で少しでも快適に過ごせるようにしています。

駐車場からサーフポイントに行くには、自分の場合、サーフボードとラニ用のテントを背負っていきます。
真夏ではかなりの重労働ですが、これを毎回やっています。
犬の場所確保が、最優先です。
海の中からいつでも状況が見えるよう、気配りし天候や温度を常に考えていなくてはなりません。

犬とのトリップは、そんな愛犬との信頼関係が非常に重要です。
犬種によっては夏場や砂場がダメな種類もいるため気をつけないといけないですね。

愛犬ラニは、自分を絶対に裏切らない大事な永遠のパートナーです。
これからも、どこかの海で会う機会がありましたら、声をかけてください。


さて2015年の酷暑きびしい九州トリップも台風一過とともに終了です。
北村プロが走破したのは3,600kmでした。
SPECIAL EDITIONーGO WEST!!
柴犬ラニと1,300kmロードトリップはこれでおしまい。

でも、ふたりの旅はこれからもつづきます。
ぜひ通常連載「柴犬ラニと海のストーリー」をお楽しみに!

■北村プロへの質問はこちら
moo@bluer.co.jp

Special Thanks*CLIF BAR / STREAM TRAIL