MOTHER OCEAN―海が教えてくれること|潮と塩
MOTHER OCEAN―海が教えてくれること
潮と塩
-潮-
海は穏やかな内海でも荒れやすい外海も”変化”に満ちている。
波打ち際は、波が寄せては引く、の繰り返し。うねりのセットがくるために何回かに数度は予想以上に岸まで波が押
し寄せる。
潮の満ち干きは月の「引力」によって海の潮位を高くする満潮と低くする干潮と、1 日に2 回ずつ繰返し起こる。
潮位が高くなる大潮は一層、満ちている。海とは実に、神秘に満ちた自然現象の宝庫。そんな自然現象を観察しなが
ら楽しむサーフィンは、とても神秘的なこと。
そんな現象を体感していると、人が常に”変化”の中で生きていることもまた、自然現象の一部だと思える。
波が押し寄せ、そして引いていく。潮が満ち引く、つまり「引力」によって引き寄せられ、また離されている。
人生、出逢い、出来事は、そんな「引力」によって導かれているとさえ思える。
出会いも別れも、良い事も悪い事、潮が満ち干くようにおとずれる。今日もまた「引力」が何かを起こそうとしている。
-塩-
地球を青く照らす青い水。
それは大量の塩分を含む海水である。
実に3.5%の塩分濃度。実際に海で海水を口にすれば、なんと塩辛いことか。この塩がもたらす浄化作用は、生命体が海から生まれたことに起因するのとも言われる。
母にいのちが宿るとき、多くのミネラルと塩分を含んだ羊水に満たされている。そのときの記憶のごとく。ヒトは海に浸かるとすべてが浄化される。
塩は古来より浄化や邪気払いのために使われてきた。日本のみならずヨーロッパやイスラムでも古くから塩は魔除けに使われ、キリスト教にも清めの塩さえある。
この地球は、ありとあらゆる国で紀元前から清めの為に使われ、いまでも果てることなく使われ続けている。
塩には否定出来ない効力があり、その海のそばで、ときに海につかることは人の起源的な行為であるとも思える。
Photo by Mr seb