サーファーズ・アイデンティティ|BLUERミニフィンの制作意図
昨年からBLUERプロダクトとして販売しているこのミニフィンは、サーフボードのフィンを限りなく縮小し、本物のフィンと同様の材料と同じプロセスによって作られたもの。
ありがたくもこのミニフィンを多くの方に知っていただき、またご購入、ご愛用いただいているのは大変うれしいこと。
同時に、フィンの形をした類似アクセサリーが、気のせいなのかBLUERのミニフィンリリース以降、発売されているのを目にするようになった。
実はこのフィンの形。サーフィンをする人なら当然知っているが、サーフィンを知らない一般の人には、これが何なのかよくわかっていないという現実があるようだ。
サーフボードと一体化していればまだいいけれど、フィン単体で見てしまうとわからないようで、「サメの歯ですか?」という人もいるし、「ヨットの舵か何かですか?」と聞かれることもある。
哀しくもすぐに理解できる一般人はなかなか居ないのが現実のようだ。
だから、このアイテムはサーファーじゃなきゃ知らない、サーフボードと同じくらい”サーファー”を表現するアイテムでありアイデンティティだと思っている。
サーファーだけではなく、一般の人にとっても、このフォルムがすぐに理解できる時代が来たら、それこそサーフィンが当たり前のレジャーなりスポーツとなった証であり、そんな日がきたら素晴らしいという思いをもって製品化を始めた。
このミニフィンにかかわってきた中で、プラスティック製品の会社やおもちゃメーカーからも声を掛けていただいた。
「これ、型を作ってしまえば1個100円もかかりませんよ」と。おもちゃ屋さんかな? とおぼしき会社からの発注も多数あった。
そりゃ商売だとすれば原価は安いほうがいいし、現に、類似の製品は型をとって「パコッ」と製品化しているのかもしれない。
しかし、BLUERにとって、このプロダクトは、あくまでも「アイデンティティ」を表現している。
昨今はサーフボードもマシンシェイプだしフィンはもっと効率的になっている。あらゆる製品はすべてメジャー化やマス化、効率的になろうとすれば大量生産になるし、それは使用する人が安く手に入れられ、使用人口が増えることにもなり、ある意味で素晴らしいことだと思う。
しかし、一方で、カスタム、オーダーメイド、最高峰のスピリッツは、職人の手によって作られるもの。
サーフボードのクラフトマンしかり、どのカテゴリにも職人が存在し「本物」を作る。
だからBLUERは、「パッコン」なフィンは、たかがアクセサリーだとしても決して作らない。BLUERミニフィンは、そんなアイデンティティの、こだわりの塊でしかない。
2014年にはじまり、2015年に多くの人に知っていただいたこのミニフィンは、もっと多くのサーファーに愛されるよう、このフォルムがサーフィンを知らない人にとっても、すぐに認識されるようなアイテムとなるよう、2016年もこのフィンを発信し続けようと思う。
BLUERにとってのルーツ。サーフィンを愛するメディア、カンパニーとして、すなわちサーフィンやスピリッツをBLUER流に伝えていこう。
最後に、このプロダクトを365日休まずに丹精を込めて作り続けている、たったひとりのクラフトマン。40年以上も日本のサーフシーンを湘南の地で支えているPamunさんこと波田野博文さんに敬意と感謝を伝えたいと思う。
BLUER MINIFIN
http://bluer.shop-pro.jp/(SHOP)
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