Update:201602.25ThuCategory : BLUERマガジン

one decade -10年先も使いつづけるシルバー


one decade -10年先も使いつづけるシルバー
Photos & words by Naoko Tanaka

人が老いることを「シルバー」というが、これは白髪から由来するという。

銀細工の「シルバー」もまた、人の“老い”と同じように、経験を重ねた分だけ深みが刻まれ、魅力的になっていく。
人も銀細工も、よく言ったもので「シルバー」とは”深み”なのだという。

シルバージュエリーは硫化して黒くなることがある。金額もカジュアルで身につける頻度が多いのか紛失も多い。だからいつも展開が早く、そばに居る時間は短くはかないシルバー。

ある日、職人のシンジさんに教えられる。

「いいシルバーってね。使えは使うほど、味が出てね。これがいいんですよ。」

シルバーには純度があり、純銀にその他の金属を混ぜると「硬度」が増す。その分カタくて傷がつきにくいが、他の金属が混じっているために「白銀」ではなく黒くなる。

一方、完全なる純銀は「白銀」に輝きSV1000とも言われるが、純度が高過ぎて柔らすぎてしまいアクセサリーとしては比較的、機能を果たせない。

その中でも958 Britannia Silver(958ブリタニアシルバー)と呼ばれるのは純銀の割合が95.8%のものを指すという。よくあるシルバージュエリーからすれば、この純銀の割合はとても高いのだという。

1000は柔らかすぎて機能しずらいが958は機能する。だが純度が高いから高価でもあるし、柔らかさも備えている。そこが「シルバー」が”深み”となゆえんだ。

人は経験を積んだ分、深みとなって魅力的になる。細かい傷を背負ったシルバーは、経験の数でもある。

変化しないプラスチックが無味乾燥として味気ないように、硬くて何も変化しない無機質なジュエリーもある。

「いいシルバーってね。使えは使うほど、味が出てね。これがいいんですよ。」

安くて硬くて不変的で安価なシルバーは、それもそれで頑丈だ。だが、深みと味を出す純度の高いシルバーを大人は選んでみる。そして経験を積んで細かく刻まれるシルバーとともに生きていく。

10年先も使い続けるシルバー。

まさに自分の歴史になるのである。

 95.8%という高純度で作られるシルバー。1つ1つ手作業で丁寧に仕上げられる

 (左)シルバージュエリーのヘッドは型を作ることから始まる。緑色のロウ細工でかたちを決めていく。(右)シルバージュエリーを作るために欠かせない道具が並ぶ

 銀職人の直井新治さん。シルバージュエリーにこだわり作り上げる究極のクラフトマン

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