Update:201605.16MonCategory : BLUERマガジン

車泊(しゃはく)の旅へ。|2016 SECIAL EDITION|プロローグ

2016年
BLUERは「クルマで自己空間を楽しむこと」を提案したい。
ー移動する手段、荷物を運ぶものー
でも、それだけではない。
この「空間」には安全性があり、冒険があり、自我がある。
「クルマ」での楽しみを「車泊(しゃはく)」として発信し
心から豊かな自然との共生を提案していくことにする。

words by Yoshishiro "moo" kitamura

『 狭い空間を最大限に生かした
自分だけのシークレットルーム 』

最初に車で連泊したのは今から30年近く前になる。

たくさんの経験のもと、必要最低限のアイテムでオールシーズン車で寝る泊まる。
普段、車で趣味の道具を運ぶトランスポートだけではなく
狭い居住空間を最大限に生かし自分だけのシークレットルームを作る事。
言うなれば動く隠家(かくれが)的空間。好きな場所へ移動し、そこでくつろぐ移動隠家(いどうかくれが)。
自分の所有車だからこそ自分流の好き勝手できる空間。

大きな車両はそれなりに空間はある。しかし昨今の車事情は低燃費ハイブリットが主流で
コンパクト化も進み、取り回しが楽な車両が多い傾向だ。

足として使用している方なら最適な選択。しかし、道具が必要な趣味をしている方は、そうもいかないはず。

そんな方の隠家的車両を更にアップグレードして、室内でも快適な空間が演出できる工夫を提案し
車内で寝てしまおう泊まってしまおうというスタイルを追求し車泊の楽しさを広げていきたい。

今でこそ「車中泊」という言葉を耳にするが、その言葉が世に出てくる以前から
「車泊」として活動を続けてきたから、自分にとっては「車泊」以外に言葉が見当たらない。
そんな30年来の知恵を、紹介していこうと思う。

words by Tetsu Hirohara

『 予約のいらない旅 』


「車泊」という名の大人の遊び。

必要なのは、お金でも地位でも、ましてや名誉でもない。
この究極の遊びに必要なのは、「時間」と「空間」、このふたつである。

多忙を究める人には、「時間」こそお金で買いたいかもしれない。
居場所となる「空間」を持ちたい人は、家が欲しいと思うかもしれない。
まさに「時間」と「空間」を得ることこそ、贅沢の極みであろう。
しかし、ご存知だろうか。

その時間と空間を得られ、大金を使わずとも自由に楽しめる遊び。
それこそが「車泊」である。

“クルマ”という道具が「空間」を与えてくれ、
“気ままな旅”が「時間」を与えてくれる。

自分の空間を自由というバッグに詰めて旅に出る、
当然、 予約のいらない旅なのだ。

辿り着いた先で、クルマに積んだ薪をおろし、
お気に入りのチェアと、読みかけの本を置く。
薪に火をおこし、コーヒーを飲む準備でもしているうちに、
いつしか日も暮れてくるかもしれない。
使い古したステンレスマグに、熱いコーヒーを注いだら、
深々とチェアに腰をおろし、物語の続きを読めばいい。

宿の帰着時間も、食事の時間も気にしない。
時間は自分が作るストーリーだから。
およそ、贅沢な時間と空間が「車泊」にはあるのだ。

words by Naoko Tanaka

『 そしてファッション的アウトドアへのアンチテーゼとして 』


いわば、クルマは自分をうつす鏡。

かつての同僚でベンチャー企業を興し大成功をおさめた人物が
普通のサラリーマンでは買えないような高級車を買ったのだと
SNSで写真をアップしていた。

クルマの真髄を極める者やレーサーはリスペストに値するが
もし”ステイタス”として高級車を選択したとすれば
そんな時代はもう、かつての価値観のようにさえ思える。

いつからか高級外車思考は比較的少なくもなり
国産のエコカーをはじめSUVや軽自動車ながらたっぷり収納可能なボックス車は
燃費もよく収納性も快適性も増し人気だ。
より安く燃費のよい快適な国産車が、いまやメジャーを占めるようにもなった。

今年、BLUERはクルマを「自分の空間」にカスタマイズする提案をしていく。

そして、この原稿を書いている今、”自分の居場所”を考えている。

自分には家がある。
賃貸ではあり狭い空間だが、ありがたく暮らせるだけの「空間」がある。

しかし、それが「自分の居場所」なのか、と言われれば、それは非常に”日常的な生活の場”なのであり、
それ以上の”満足感”は自分にはないのかもしれないと感じた。

家族と同居している人にとっても、家にプライベート空間がある人も無い人も
仮にあったとしても、その空間を“居場所”と感じていない人がいるのかもしれない。

これは”クルマ”という移動空間。

クルマと旅をセットにして、”精神的な満足”や”生きている実感値”を
どれだけ獲得することができるのか。

ある種、昨今のファッションだけで満足しているアウトドアへの、アンチテーゼを込めて…。
この、新しい「車泊(しゃはく)」という名の企画を、はじめようと思う。


EPISODE 1
「快適! 車泊空間の作り方」


どんなクルマでも快適空間を作るには基礎工事が必要だ。
次回は、そんな基本工程を特集します!

See you Soon!!



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