Update:201705.02TueCategory : Namiaru? News

宮坂莉乙子プロインタビュー

宮坂莉乙子。
rioko-1P:S.Yamamoto

今年のJPSAの初戦のバリ。宮坂莉乙子に今シーズンに向けての話を聞いた。

Namiaru?(以下:N)JPSA 2016年度女子ショートボードランキングは9位(2015年度 5位)という成績でした。どのように分析していますか?

Rioko(以下:R)「去年は全く自分の思う通りの結果が出せなかった一年でした。これが自分の実力かなと思わされた年でしたね。ヒート運とかいうより、それ相応な結果だと思います。それに女子選手が若くなって、上手くなっているなって。そこは大きな刺激となりました。それに麻衣子が初戦でJPSAプロ公認を取れたので、三人(長女 桃子、次女 莉乙子、三女 麻衣子)で回れた。そこはすごく楽しかったです。」
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N:サーフィンについてはどうですか?

R:「板は調子イイんですよ。前は板をそのまま提供してもらっていたんですが、今年から大海さんからオーダー用紙を渡されるだけになって。自分で考えてオーダーしろということだと思います。今まで任せっきりだったので。まだまだ練習もしなきゃいけないし、板のオーダーをにしても、もっと板のことを理解して、乗らなきゃいけないと思っています。」
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N:若い選手が出てきたと言いましたが、莉乙子プロも若いですよね?

R:「今年で20歳です。早いですよね。JPSAを回り出したのが、中三だから、15歳。4-5年前になりますね。大丈夫かな(笑)。中身的には変わっていないですけど、サーフィンは変わったと思います。周りの子が上手くなっていくから、それより上に行かなくては勝てないという意識が、サーフィンを変えたのかもしれません。ガタイが良いのが自分の持ち味なので、もっとパワーサーフィンに磨きをかけたいとも思っています。」
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N:昨年は「トレーニングはやっていません。自分は自然体。海に入ってする練習がトレーニングと考えています」と言っていましたが、今でもそうなんですか?

R:「仕事(宮坂印刷)は毎日手伝っているんですが、その仕事帰りにヨガとかに通うようになりました。叔母がヨガ教室に通っていて、私にも勧めてくれたんですよ。あと体幹トレーニングとか、寝る前のストレッチとか。やはり、体調はすごく良くなりました。」
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N:毎日、仕事ということは土日しかサーフィンができないということですけど、もっと練習したいと思ったりしませんか?

R:「そうですね。でも自分は時間がありすぎると、後回しにする癖があるんです。去年、夏に三週間ぐらい、ずーっと海にいたことがあるんですよ。試合も近いから海に行って練習しろと言われて。仕事もしないで、海に毎日、朝から夕方まで入って。練習はしていたので、上手くはなっていたと思うんですけど。毎日やっちゃうと、明日があるから、今日は30分ぐらいでイイやって。考えが甘くなっちゃって。だから、自分は毎週、土日しか入れないという環境の中で、きっちり一時間頑張るという方が良いですね。」

N:さて、仲良し三姉妹(実は五姉妹)の長女、桃子が電撃結婚。コンペティションからの引退。このバリは来ていません。寂しいんじゃないですか?

R:「寂しいです。つまんないです。今までは絶対、姉か妹がいたんですよ。麻衣子に聞いたら「今回は行かない」って言われて。バリに一人で来るのもどうしようかと思っていたんです。ここら辺のホテルは一人で泊まるのはすごく高いんですよ。ガイドさんつけるのも大変だし、お金かかるし。そうしたら、ヤスコさん(バリ在住)が助けてくれて。すごく助かりました。」

N:そうなると今年は一人転戦することが多くなりそうですけど、どうですか?

R:「うん、甘えちゃいけない。それは今回で良くわかりました。昨年は車の免許が取れたことで、自分の時間を管理することを目標にやってきたんですけど、それだけじゃダメで。大会も前は一日前に入っていたことが多かったんですけど、もう少し早く、三日前には会場入りして、練習しようと考えています。」

N:今年の目標を教えてください。

R:「JPSAのグランドチャンピオンを獲りたいです。日本で結果出して、自分が納得できたら海外へ行こうかなって。日本で勝てないと、海外でやる意味がないと思っていますから。でも、スポンサー(ホワイトバッファロー)さんが国内でQSの大会を用意してくれているので、国内のQSは出ます。そこで経験は積んでいきたいと思っています。」

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宮坂莉乙子、20歳。
仕事とサーフィンを両立。「仕事が好きなんですよ」という言葉からも莉乙子の律儀さがよくわかる。
試合では大好きな姉といつも一緒にいたが、桃子が結婚してコンペを引退。今年は一人で転戦することとなった。
そこで、気づいたのは姉の大きな存在。それまで自然体で入られたのは、姉がいたからこそ。一人の自分の弱さに気づいた。自分が自分に甘いことも自覚した。
サーフィンではスキルアップはもちろんのこと、エキップメント、板のことも覚えて、自分のサーフィンに役立てようと勉強を始めた。もともと研究が好きだとも言う。
今は一人で考え、一人で行動する。そして、自分がどうしたら活かされるか。今年の一年は挑戦の年でもある。
頑張れ!莉乙子!

Photo/Text:S.Yamamoto