小高恵子プロのオーストラリア・トリップ!
Byron Bay編
現地で感じた、ヌーサ・フェスティバルのリアルな空気をお伝えしたトリップリポート前編。この後編の初めに、前編でお伝えできなかった日本人サーファー達のヌーサ・フェスにおける存在感について触れておきたいと思います。
Namiaru? Shred Crew 秋本祥平プロ。ノーズライドの高いスキルと抜群の安定感で、国内外で常に注目を集める日本人選手の1人。
Photo by K. Aizawa
そして個人的に最も鮮烈な印象を受けた、田中祐介プロのパフォーマンス。リーフの奥から誰よりも早く形のいい波をキャッチし、日本人離れした力強いノーズライドで、観衆を唸らせていました。
強豪ひしめくウィメンズ・プロで、ヒートスコア13.15を出した 小栗瑞恵プロ。重さのあるロガーに有利とも思われるコンディションで、幾度となくアグレッシブなターンを繰り返すライディングに、MCも’ミズエ・オグリ’を連呼し、賞賛していたのが印象的でした。
photo by Hiroka Yoshikawa
JPSAで優勝経験を持つ 堀井哲プロ、塚本将也プロ、吉川広夏プロを筆頭に、米本好希プロ、斎藤久元プロ、稗田瞬プロ他、たくさんのアマチュアを含む10代、20代の若い選手達が、手強いローカルを相手に次々とラウンドアップを重ねていく姿を見るにつけ、近い将来、このヌーサで日本人選手達が更なる存在感を示す日が来るであろうと確信しました。
オッチこと 米本好希プロの美しいハングテン。
そんな清々しい気持ちでヌーサを後にして、3時間ほど南下。もう1つの旅の目的であるWSLのコンテストに出場するため、試合会場に近いゴールドコーストに移動。そしてキングスクリフで行われたコンテストでは、田岡なつみプロが見事優勝を飾ってくれました。ファイナルヒートは、田岡プロを除く全員が世界戦での優勝経験者という価値ある勝利に、吉川プロも私も大興奮!
メンズ優勝のハーレー・イングルビーと。
田岡プロの大金星、ヌーサでの吉川プロの2冠、そして自分の35&overの優勝を、吉川プロのスポンサーであるTrump様にお祝いして頂いて、素敵な夜も過ごしました。
さて、コンテストから解放され2人旅となった吉川プロと私は、ラストスパートに突入。ステイ先のゴールドコーストは明るくて波も豊富、生活にも便利なサーフタウン。
photo by Hiroka Yoshikawa with gopro
折りしもスナッパー・ロックスではWCTも開催中で、初めて見るCT選手の生のライディングに言葉が出ないほど感動したり、思わず最大級の歓声をあげたり、心底圧倒されました。
そして、私たちが他のどこよりも通い詰めた、バイロン・ベイ。見えなくなるまで続く海岸線に沿って、延々とブレイクする’ザ・パス’の波。まさにエンドレスブレイクでのサーフィンは、私にとって旅の1番の衝撃でした。
景色が雄大なあまり小さいように見える波も、実際に入ってみるとパワフルな肩頭サイズのセットもあり。板を流さないように必死でいる自分の目の前で、カリーナ・ロズンコがハングテンでチャージしながら通り過ぎて行く。なんとも刺激的な時間!脚も腕もヘロヘロになるまでサーフィンして、ここに住んだら、どれだけサーフィンが上手くなるだろう、そんな気持ちさえ芽生えたのでした。
さらにバイロンは波だけでなく、タウンもかなり魅力的。ヒッピーカルチャーが浸透しているので、ヘルシーで美味しいオーガニックフードのカフェにデリ、良質なボディケア製品を扱うお店にもたくさん出会えます。
街並も美しく、のんびりと散策を楽しむには最高の場所。ヴィンテージストアや、センスのいいアパレル、デザイン性の高いサーフウェアのショップも多く、サーファーなら誰もが立ち寄りたくなるお店で溢れる街です。
バイロン・ベイを訪れたら是非寄って欲しいのが、街の入口にある ’the farm BYON BAY’。吉川プロがお気に入りだと案内してくれたこの場所、あいにくの曇り空を忘れるほどの爽やかな空気。
広大な敷地には、豚や牛、鶏のいる牧場や、たくさんのハーブや花、野菜を育てる畑があり、 農場内をカートツアーで見学することもできます。人気のカフェで食べた、作りたてのモッツァレラチーズの味は驚くほど美味しくて、忘れられません。
素敵なお花屋さんやオーガニック製品のストアもあって、ただの農場でもなく、ただのカフェでもない、1日中ここで過ごしたくなるほど穏やかで美しく、くつろげる空間。自然の恵みを頂いて生きることのありがたさ、自然体で素朴に生きることの素敵さを体現する、オーストラリアの魅力を凝縮したような場所でした。
今回初めて訪れたオーストラリア。3週間疲れを溜めずに過ごせるのかと、小さな不安を抱えての旅立ちでした。ところが実際に訪れてみると、着いた途端にオープンマインドでリラックスできる空気を肌で感じ、そこから徐々に、美しい自然や大地からパワーを充電されていくような感覚を得ました。旅を終えて帰国したのは、出発前の不安が嘘のように、日本にいるよりも明らかに元気な自分でした。また来年も、そしてその先も、たくさんのパワーをチャージしに、必ずオーストラリアを訪れたいと思います。
改めて、オーストラリアで共に時間を過ごしてくれた皆様と、新しい出会い、オーストラリアのパワフルな自然に大きな感謝を込めて。
reported by keiko kodaka
リポートの前編はこちら
www.namiaru.tv/